明確な目標をもつことでフローを経験できる
でありながら、スポーツマンで、スカッシュの全米学生チャンピオンおよびイスラエル・チャンピオン。
そして、彼の講義(肯定心理学-ポジティブ・サイコロジー)は、ハーバード大学で最も人気があり、全学生の二割に当たる1,400人が聴講しているそうです。
以下の引用は、以前にご紹介した「ソース」という本の内容と重なることに気づきました。
自分の行いたいことを優先しよう。
そうすれば、思いもよらなかった偶然が起こって、自分がしたいことをするのを助けてくれる・・・。
目標を持つことで、フローを体験できる。
そして、その目標は、自分が本当に行いたいことでなければならない。
自分にとって意義のあること。
他の人にも意義を感じてもらえること。
これを早い時点で見つけられたら、充実した生活を送ることができるはずです。
ただ、おもしろいことに、自分の目標に向かって努力している人でも、目標もなくただ遊んでいる人のほうが楽しそうと感じる傾向があるようなんです。
逆に、遊んでいる人も、目標のある人のほうが充実していていい、と感じているとか。
そんな調査があると、どこかで読みました。
隣の家の芝生は青く見える。
これは事実なのかもしれませんね。
私がここで強調したいことは、目標を達成することよりも、それを持つことのほうが重要だということです。
心理学者のデービッド・ワトソンも、『Positive Affectivity』と題する論文のなかで、「幸せへの鍵は。目標を達成することにではなく、目標を追求するプロセスにある」と明言しています。
目標は手段であり、終着点ではありません。・・・
目標はそれを達成したならば幸せをもたらしてくれるものなどではなく、人生という旅を楽しませてくれるものなのです。
ただし、どんな種類の目標でもいいというわけではありません。
私たちに人生という旅を楽しませてくれる目標は、私たちが心から追求したいと願うものでなくてはならないのです。
「行いたいこと」対「行わなくてはならないこと」
目標と幸せに関する研究を行っている、米国ミズーリ・コロンビア大学の研究者ケノン・シェルダンとその仲間たちは、次のように書いています。
「私たちは、もしも幸せを追求するならば、周囲の人たちの期待や社会的通念に従おうとするのではなく、自分が本当に行いたいことを目標として設定し、その達成を目指すべきである」
・・・・・・・
夢の人生へと続く旅
いったい自分は何をしたいのか-自分に意義と喜びの双方をもたらしてくれるものは何なのか-と自問するだけでは、多くの場合、不充分です。
私たちは、自分をもっと深く掘り下げる必要があります。
私の哲学の師、オハド・カミンは、卒業後の進路を決めかねていた私に、こんなアドバイスをしてくれました。
「人生は短い。
進路を選ぶときには、まず最初に、自分にできそうなあらゆることをリストアップすることを忘れないように。
それらのなかから、自分が行いたいと思うことをすべて選び出すんだ。
続いて、その行いたいことのなかから、本当に行いたいことを選び出す。
そして最後に、本当に行いたいことのなかから、本当に、本当に行いたいと思うことを選び出して、それを行うか、行えるようになるために、努力する。
いいね」
見えない手がいつも助けてくれる
心理学者のアブラハム・マズローによれば、「私たちが集中して何かを行うと、それを効率よく行う私たちの能力が上昇するのみならず、私たちのその作業を、環境が助けてくれるようにもなる」といいます。
これは、幸せを究極の目標として認識している人たちが、特に頻繁に体験している現象です。
20世紀の神話学者ジョセフ・キャンベルは、晩年のインタビューのなかで、ジャーナリストのビル・モイヤーズから「隠れた手に助けられている感覚を手にしたことは?」と尋ねられ、こう答えています。
そんなことは、しょっちゅうです。・・・
見えない手がいつも助けてくれるので、しだいに私は、ある仮説を抱くようになりました。
「あなたにとって、あなた自身の至福を追求しはじめることは、あなたを待ちながらつねに存在してきた道の上に、あなた自身を乗せることであり、その道こそが、あなたの生きるべき道である」という仮説です。
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あなたがそうしはじめると、思いも寄らない人たちが、あなたの前に現われはじめ、あなたのためにさまざまな扉を開いてくれます。
ですから私は、いつも人々にこう言っているのです。
「あなたの至福を追求しなさい。
そして恐れないことです。
そうすれば、思わぬ場所で、思わぬ扉が、あなたのために次々と開かれてくるようになるでしょう」
・・・・・・・
「学ぶ幸せ」を習得する
「喜びありて得るものあり」のフロー状態
これまでほとんどの学校が行ってきたことは、形のあるもの(成績)を優先し、形のないもの(学ぶ喜び)をないがしろにすることでした。
そしてそれは、子供たちの多くが出世競争型の考え方を身につけてしまうという、ひどい結果を生み出してきました。
この状況を改善することはできないのでしょうか?
子供たちを出世競争の罠から救い出すには、どうしたらいいのでしょう?
子供たちの学業的成功と学ぶ喜びを両立させるには、どうしたらいいのでしょう?
心理学者のミハイ・チクセントミハイが行った「フロー」に関する研究が、重要なヒントを与えてくれています。
フローとは、特定の作業に没頭し、その作業とのいわば一体感を感じている状態であり、チクセントミハイはこれを、「行動と意識が融合した状態」と表現しています。
本を読むこと、あるいは何かを書くことに没頭していて、名前を呼ばれてもそれに気づかなかったという経験は、おそらく誰にでもあるはずです。
私たちはまた、時間を忘れて、さまざまなこと、たとえば、料理作り、友人との会話、近所の公園でのバスケットボール遊びなどに没頭することもあります。
そのとき私たちは、実際には数時間も経過しているというのに、数分程度しかたっていないように感じます。
これがフローです。
・・・
私たちは、フローの状態のなかで何かを行っているとき-たとえばそれがボールを蹴ることであれ、彫刻をすること、詩を書くこと、あるいはテストの勉強をすることであれ-それを行うことに完璧に集中していて、ほかのどんなものにも気を散らされることがありません。
そのとき私たちは、何かをとてもうまく行いながら、目指す目標に向かって喜々として前進しています。
チクセントミハイは、「フローを頻繁に体験するには、明確な目標を持つことが不可欠である。
私たちが何かに没頭するためには、それをすることが自分にとって重要なことでなくてはならないからだ」と説明しています。
ほかのことに気を散らされていないとき-目標をしっかり定めているとき-私たちは目の前の活動に没頭する自由を手にしています。
目標設定の章(第5章)で述べたように、明確な目的地を掲げることで、私たちは旅を楽しむ自由を手にできるのです。
フローのなかでは、現在と未来の利益が見事に両立しています。
フローの体験は、「痛みなくして得るものなし」という公式を、「喜びありて得るものあり」という公式に変えることで、私たちに究極の通貨をふんだんにもたらしてくれます。
-「HAPPIER 幸福も成功も手にするシークレット・メソッド」(タル・ベン・シャハー、幸福の科学出版)より
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